その54.大樽川松川羽黒川編


今回の釣行では滑川温泉「福島屋」に宿をとった。
冬季には閉館となる山奥の立地にもかかわらず、その行き届いたもてなしには大満足。
☆☆☆の宿である。

三瓶と釣銭、爆笑王の三人は川の字になって眠り、早朝に目覚めた。
心のこもった朝食をとる。
山菜の和え物や煮びたしは絶品だ。

全員がご飯を三杯おかわりした。
宿の人に見送られ今日の釣り場へと向かう。
三瓶は何か思惑があるらしく、居残って温泉を楽しむとのことである。
原種山女:KT種(33cm)、??種(不詳)
というわけで到着したのは大樽川。
大物が期待できそうな雰囲気である。
やる気満々でルアーを投じる釣銭。
しかしその足を引っ張る者がいた。
「釣銭、此処はいやだよ。他の川へ行こうよ」
じつは、昨日の遭難で爆笑王は深い流れが怖くなっていたのだった。
というわけで次に到着したのは松川。
最上川の源流である。
しかし爆笑王はこの川にも怖気づいた。
早々に引き上げざるを得なかった。
「釣銭、ゴメンよ」
釣銭は振り向きもしない。
「怒らせちゃったかな・・・」
これには様子を見ていた山女もあきれるしかなかった。
原種山女:HM種(20cm)
というわけで次に到着したのは羽黒川。
昨日釣果のあったポイントのずっと下流である。
昨日とは違って今日は天気も良く、山女たちもここぞとばかりに誘いかけてくる。
原種山女:KY種(23cm)
夢中で誘いに応じる釣銭。
しかしここでもまた爆笑王は水を注す。
「ねえ釣銭、持ってきたデン六豆でも食べようよ」
「やる気がないんだったら宿へ帰ろう!」
いつになく釣銭は怒っていた。
期待していた釣りがまったく出来なかった。
それもこれも爆笑王のせいだ。
部屋に荷物を置くやいなや、釣銭は爆笑王を打ち棄てるようにして風呂場へ向かった。
もっと竿を振りたかった。
もっとルアーを投げ込みたかった。
釣銭は溜りに溜まったフラストレーションを一気に爆発させた。




090612
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