その16.霧降川編



早めに到着はしたのだが、草むらで用を足していた釣銭はすっかり出遅れてしまった。
慌てて追い付こうとする釣銭。
蜘蛛の巣をかき分けて先を急ぐ釣銭。
竿に絡まった蜘蛛の巣を気にする釣銭。
だが、一級の獲物がそこに眠っていたことを釣銭は知る由も無い。

原種山女:LC種(26cm)
爆笑王はといえば、さっきからこのポイントにへばりついている。
左サイドから攻める爆笑王。
釣れる気配は無い。
同じ場所に三瓶もいた。
中央から堂々と攻める三瓶。
魅力的な動きに堪らずルアーを追いかけてきた一匹の山女。

もうすぐ食い付く!
その時やってきたのは釣銭。
足元の石ころがジャリジャリゴロリと大きな音を立てている。
舌打ちをしながら釣銭を振り返る三瓶。
邪魔だけはしてくれるな!
だが、時すでに遅し。
気配を感じた彼女は帰り支度を始めたようである…

原種山女:KA種(26cm)




040912
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