その12.後山川編



三瓶と爆笑王の二人を連れて後山川へやって来た。

到着するやいなや、三瓶がヤマメを釣り上げた。
平凡なヤマメではあるが鼻をほじりながらの成果は立派だ。
人並みはずれた才能ではある。
気がかりなのはやはり爆笑王である。
見ると、偶然ではあろうが、いいポイントを押さえてはいる。
あとは腕次第だ。
だが、彼の釣りには技も心も知能も備わっていない。
ただただルアーを放り込むだけである。
これでは日光の山猿とかわらない。
目の前に獲物はいる。
しかも爆笑王を誘っている。
彼にもその気はあるようだ。
だが残念ながら腕がない。
いったいどのように指導すればよいのだろうか?
私は困り果てた。













そして彼女も待ちくたびれてしまったようである。
原種山女:KE種(23cm)




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